BNPパリバ財団、気候変動研究の推進に600万ユーロを支援 - BNPパリバ
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2017年6月6日 - ,

BNPパリバ財団、気候変動研究の推進に600万ユーロを支援

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この度、BNPパリバ財団は、2017年~2019年にかけて気候イニシアチブプログラムに600万ユーロを追加提供し、8件の国際的研究プロジェクトを支援する運びとなりました。これらのプロジェクトは、南極や熱帯地域の過去の気候に関する新データの収集、南米における乾燥亜熱帯地域の拡大、気候変動がサンゴ礁に及ぼす影響の評価、アフリカにおける農業土壌の炭素隔離の可能性など、様々なテーマを対象としたものです。

 

2010年に開始した気候イニシアチブは、気候変動とその環境への影響の理解促進を目的としています。このイニシアチブのもと、すでに10の国際的研究チームが気候研究を推進し、20万人以上の人々に対する気候変動の啓発活動が行われました。

 

世界中で8件のプロジェクト、178人の研究者・大学教授・エンジニア、73の大学・研究機関を支援

 

これらのグローバルかつ学術的プロジェクトは、気候システムの機能及び、その変遷、環境への影響に関する問題を幅広く扱っています。活動予算は合計1,440万ユーロにのぼり、そのうち600万ユーロをBNPパリバ財団が提供しています。

    • 未知のデータを収集し、東南極大陸(大部分が未探査)の変遷をモデル化することにより、海面上昇時に起こりうる状況を探るプロジェクト。プロジェクトの責任者はバルバラ・ステニ(ヴェネチア大学)、ジョエル・サヴァリーノ(LGGE、CNRS/グルノーブルアルプス大学)、デトレフ・ヘルミック(コロラド大学)、タス・ヴァン・オンメン(オーストラリア南極観測局)。
    • 北極および南極地域に生息する、または繁殖を当地域に依存する海鳥や海洋哺乳類への地球温暖化の影響を測定するプロジェクト。プロジェクトの責任者はクリストフ・バルブロ、ヤン・ロペル=クデル(シゼ生物研究センター(CEBC)、CNRS/ラロシェル大学))。
    • IPCC予測と、気候変動の影響を最も受けやすい国々におけるガバナンスモデルの経済的、政治的、社会文化的側面に対する影響を詳しく解明するプロジェクト。プロジェクトの責任者はユースト・ヴェルヴォールト(ユトレヒト大学)。
    • 地域的な気候変動をより厳密に定義し、熱帯雨林がこの変動にどのように反応しているかを理解するため、過去80万年を対象に熱帯気候に関する前例のないデータを収集するプロジェクト。プロジェクトの責任者はマリ=ピエール・レドリュ(モンペリエ進化科学研究所(ISEM)共同研究室(UM/CNRS/IRD/EPHE))。
    • サンゴ礁とそこから生じる恩恵(漁業、観光、沿岸保護)に対する地球温暖化の影響を測定・予測するプロジェクト。プロジェクトの責任者はヴァレリアーノ・パラヴィチーニ(エコール・プラティク・デ・オート・エチューデ(EPHE))。
    • アフリカにおける極端な気候変動現象とその影響をモデル化し、これらの現象に住民がさらされる事態の軽減を促すプロジェクト。プロジェクトの責任者はマーク・ニュー(ケープタウン大学)とフリーデリケ・オットー(オックスフォード大学)。
    • 気候温暖化と南半球の亜熱帯乾燥地帯を拡大させるハドレー循環(赤道から熱帯へ熱を再分配する大規模な大気循環)の相互作用の理解を深めるプロジェクト。プロジェクトの責任者はヴァレリー・ドー(LSCE、CNRS/CEA/ヴェルサイユ・サンカンタン・アン・イヴリーヌ大学)。
    • 熱帯農業システムにおける土壌炭素隔離のメカニズムの理解と、家族経営農業における慣行の改善を促進するプロジェクト。プロジェクトの責任者はリディ・ラルディ(UMRエコ&ゾル、モンペリエ農業科学高等教育国際センター/CIRAD/INRA/IRD))。

 

 

これらのプロジェクトは、以下の著名な専門家から成る学術委員会により選出されました。

  • フランク・コーチャンプ:フランス国立科学研究センター、生態学、分類学および進化研究室リサーチ・ディレクター(CNRS/パリ第11大学)。2014年に気候イニシアチブプログラムを受賞。
  • フィリップ・ジレ:スイス連邦工科大学ローザンヌ校副校長。学術委員会のリーダー、財団の執行委員会の委員。
  • ジョアンナ・ハイ:インペリアル・カレッジ・ロンドン大気物理学教授、グランサム気候変動環境研究所共同責任者。
  • コリーヌ・ルケレ:イースト・アングリア大学気候変動科学政策研究所教授、ティンダル気候変動研究センター所長。
  • トーマス・ストッカー:ベルン大学気候・環境物理学教授兼学部長。
  • リカルド・ヴァレンティニ、:トゥーシャ大学(イタリア)森林生態学教授。
  • ジャン=パスカル・ヴァン・イペルセル:物理学の博士号を有する気候学者。ルーヴァン・カトリック大学の教授として科学・環境管理の修士課程の共同責任者。2015年までIPCC副議長。

 

気候イニシアチブの成功:応募件数が増加、プロジェクトはより国際的に

 

2016年のプロジェクト募集期間における応募件数は228件でした。なお、2013年には65件、2010年には50件の応募がありました。

これら228件のプロジェクトを合計すると、5大陸95ヵ国に所在する研究所や大学から1568人の研究者が参加しています。一方、2010年にプロジェクトの応募があったのは28ヵ国からでした。

欧州の主な環境科学研究機関の95%[1]から1件以上のプロジェクトの応募がありました。

 

応募の大幅な増加は、科学貢献の分野で気候イニシアチブプログラムの認知・定着が向上したことを顕著に表すものです。

また、気候変動をテーマにした学術論文が増加したことも理由となっています(「気候変動」のキーワードを含む学術論文の公表は2010年には約15,000件、2015年には約25,000件)。

 

気候イニシアチブについて

 

このプログラムは、BNPパリバのCSR(企業の社会的責任)の支援により2010年に開始されました。当プログラムのもと、すでに10の国際研究チームが気候の研究を進め、約20万人に対する気候変動の啓発活動が行われています。

2012年、フランスのエコロジー・持続可能開発・エネルギー省が主催する企業フィランソロピー(企業社会貢献)賞の審査員特別賞を受賞しました。

支援対象のプロジェクトはすべてBNPパリバ財団のウェブサイトに掲載されています。

 

 

BNPパリバ財団についてwww.fondation.bnpparibas.com

BNP財団は、フランス財団の支援のもと、30年にわたりBNPパリバの社会貢献活動の主たる役割を担ってきました。また、BNPパリバグループが事業展開するすべての国において、国際的な社会貢献活動の展開を統括しています。

当財団の活動は、社会貢献活動の多面的なアプローチの一環であり、文化、社会連帯活動、環境の3つの分野における革新的なプロジェクトの推進を目的としています。当財団はパートナーへのコミットメントの質に細心の注意を払い、プロジェクトの長期的な支援を行っています。1984年以降、フランスおよび世界各地において、300件以上の文化的プロジェクト、40件以上の研究プログラム、1000件以上の社会・教育的イニシアチブを支援した実績があります。

 

 

報道関係者お問い合わせ先:

アン=ソフィー・トレムイユ:anne-sophie.tremouille@bnpparibas.com(電話) +33 1 58 16 84 99

フロランス・バルダン:florence.bardin@agencef.com(電話) +33 1 82 83 81 90

 

 

※このリリースは、2017年6月6日にパリで発表されたプレスリリースを抄訳したものです。
原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。

 

 

プロジェクトEAIIST

東南極氷床の国際的な横断調査

 

将来の気候変動や海面上昇の予測に関して最も未知の領域があるとすれば、それは南極、より具体的には東南極でしょう。その質量収支(つまり、降雪で得られた水量と、海岸の融解および氷山により失われた水量の差)には、依然として解明されていない部分が多くあります。この質量がわずか1%失われただけで約60cmの海面上昇につながるため、この未解明な状態は単に学術的問題にとどまりません。東南極の質量が増加しているのか、それとも減少しているのか、判断することは非常に重要です。

このような背景から、2018年~2020年にかけてフランス、イタリア、米国、オーストラリアの科学者チームが、南極のコンコルディア基地(仏伊)とアムンゼン・スコット基地(米国)間の約3500kmをトラクターで往復して調査を行います。大陸の最も不毛な地域(大部分が未探索で確かなことはほとんど分かっていません)を通るこの横断調査には複数の目的があります。積雪量とその傾向の評価/大陸から抽出された氷床コアから過去の氷河の状態を再構築する方法を突き止めるための、東南極氷床の運動状態の研究/さまざまな場所への自動観測ステーションの設置などです。ある地点から次の地点の変動や、各地のパラメータが現地で収集されたデータに影響を与えることを考慮して、大陸の内部から収集された正確なデータを通じて効果的に気候アーカイブを解読し、気候モデルを微調整してより高い精度で将来を予測します。最終的には、今後数十年間における南極海の海面上昇への影響の解明に調査結果を活用することを目指します。

 

プロジェクトの共同責任者はジョエル・サヴァリーノ(LGGE(CNRS/グルノーブルアルプス大学))、バルバラ・ステニ(ヴェネチア大学)、デトレフ・ヘルミック(コロラド大学)、タス・ヴァン・オンメン(オーストラリア南極観測局)。

 

4ヵ国(フランス、イタリア、米国、オーストラリア)の研究機関・大学に所属する約60名の科学者のチームにより実施。

以下の機関がロジスティクスを支援。フランス:極地研究所、イタリア:新技術国家研究所、新技術エネルギー環境局(ENEA)、フランス:グルノーブルアルプス大学、CNRS、IGE、IPEV、LSCE、CEREGE;IPGS、米国:アメリカ国立科学財団(NSF)、オーストラリア:オーストラリア南極観測局(AAD)。

 

水文気候上の極端な現象の生物物理学的・経済的影響の合同原因特定:地球温暖化の影響を受けにくいアフリカへ

 

アフリカは、干ばつや洪水などの極端な気候や気象現象に対して特に脆弱です。この脆弱性の原因は、部分的には温暖化そのものにあります。多くの乾燥地域では、連続的な干ばつや洪水のような極端な現象がより頻繁に発生し、長く続いています。しかしながらこの脆弱性は、進行中の変化(急速な都市化、人口の急増、農業法、自然環境の悪化、不適切なインフラなど)に適応できない状況、いわゆる「適応障害」によっても悪化します。

オックスフォード大学のフリーデリケ・オットーと南アフリカのケープタウン大学のマーク・ニューが率いる学際的チームは、極端な現象のモデル化や南アフリカの豊富な野外データの活用を通じて、人間の活動から排出された温室効果ガスがアフリカ諸国の脆弱性に及ぼす影響を特定したいと考えています。

温室効果ガスの排出量に影響を与えることは困難ですが、現地における適応方法を選ぶことは可能です。本プロジェクトは、アフリカ諸国の気候変動に対する感受性の軽減を目指して、特定の地域で極端な現象のリスクがどの程度拡大しているのか判断し、各種の対応の有効性評価を行います。最終的には、今後の具体的かつ効果的な適応プログラム開発の促進を目指します。

 

プロジェクトの責任者は、マーク・ニュー(ケープタウン大学)とフリーデリケ・オットー(オックスフォード大学)。

 

以下に所属する6名の研究者・大学教授のチームにより実施。南アフリカ:ケープタウン大学、英国:オックスフォード大学環境変動研究所、米国:ローレンス・バークレー国立研究所。

 

 

プロジェクトSOCA

気候を越えて:熱帯地方の家族農業維持のための土壌炭素隔離

 

植物や生物のおかげで、土壌は陸生炭素の最大の貯留地となっています。推定で1500Gtの炭素(大気中に存在する量の2倍)が土壌の上層部に貯蔵されています。フランスは2015年、国際的イニシアチブ「1000分の4」を立ち上げました。これは、大気中に放出されるCO2の量を、土壌の上部30〜40cmに貯蔵されている有機炭素量のごくわずかな増加(約4‰、イニシアチブの名称の由来)によって相殺することを目指すものです。土壌中の炭素が多いほど有機物が多くなり、農業生産が向上するため、これはウィン・ウィンの目標だと言えます。しかし、土壌中の炭素の隔離は、現地の気候や土壌の種類、利用方法、管理など多くの要因に左右されます。これらの要因の多くは、特に熱帯地域の家族経営の農業制度においては、(他の地域よりも大きな問題を抱えているにも関わらず)研究が不十分なままです。

南部諸国の研究者や学生との協力によりフランスの研究者が結集した学際的チームが、サブサハラ・アフリカにおける大気から土壌への炭素移動に及ぼすこれらの要因の影響を3年間にわたって分析します。その一方、さまざまな研究分野で社会経済データの収集も行います。この前例のないデータベースにより、熱帯における炭素隔離の動態の理解が深まり、地球温暖化防止と食糧安全保障への貢献という長期目標を伴った、農業慣行改善のための指標の提供が可能になるでしょう。

 

プロジェクトの責任者はリディ・ラルディ(UMRエコ&ゾル(モンペリエ農業科学高等教育国際センター/CIRAD/INRA/IRD))。

 

以下に所属する20名の研究者のチームにより実施。フランス:IRD UMRエコ&ゾル、INRA-UMRエコ&ゾル、CIRAD-UMRエコ&ゾル、カメルーン:IRAD、CIRAD-UMRエコ&ゾル、ICRAF、セネガル:IRD-UMRエコ&ゾル、マダガスカル:IRD-UMRエコ&ゾル、アンタナナリボ大学LRI、ベナン:INRAB、コートジボワール:CNRA、ウガンダ:IITA。

 

 

プロジェクトTHEMES

熱帯地域拡大のミステリー:過去から未来へ

 

干ばつほど、世界中の多くの人々に影響を及ぼしている極端な気候現象はありません。過去30~40年にわたり、亜熱帯地域で干ばつの頻度が増加しています。しかしながら、水文気候的変化の予測は、依然として将来の気候モデル化にとって主な障害となっています。亜熱帯気候は、いわゆるハドレーセルまたはハドレー循環(赤道から地球の反対側の熱帯に熱を再分配する大規模な大気循環)に大きく依存しています。近年、このセルは極地に向かって拡大しています。観測によると、1980年代以降、10年ごとに各半球で緯度にして0.5~1度ずつ広がり、現地の気候を変化させ、亜熱帯の乾燥地帯(特に南半球の)を拡大させています。

この現象の根底にあるメカニズムはいまだに解明されていません。温室効果ガスや成層圏オゾン層破壊などの人間活動の結果が原因でしょうか、それとも自然気候変動が原因でしょうか。欧州、北米、南米の研究者チームがこの問題に取り組みます。チームの観測ツールは、アンデス(ボリビア~パタゴニア)にある木の年輪です。これらの年輪を数え、その幅と密度を測定し、その化学組成(特に酸素同位体と炭素同位体)を分析することにより、これらの樹木の成長条件(特に過去1000年間の降水量と気温の変化)を過去にさかのぼって調べ、このデータからハドレーセルの規模・強度の経時変化を再構成することを目指します。最終的には、気候と大気セルの相互作用を理解し、気候シミュレーションを2100年まで進めることを目指します。

 

プロジェクトの責任者はヴァレリー・ドー(LSCE(CNRS/CEA/ヴェルサイユ・サンカンタン・アン・イヴリーヌ大学))。

 

以下に所属する21名の研究者、教授、エンジニア、技術者および4名の博士・ポストドクターのチームにより実施。フランス:LSCE-CNRS/CEA/ヴェルサイユ・サンカンタン大学(ジフ=シュリヴェット)、LOCEAN-UPMC(パリ)、英国:セントアンドリュース大学地理・地球科学スクール(スコットランド)、アルゼンチン:IANIGLA/CONICET(メンドーサ)、サンラファエル自然史博物館、米国:コロンビア大学ラモント=ドハティ・アース天文台(パラセイズ)、チリ:アウストラル・デ・チリ大学(バルディビア)、スイス(ベルン大学)。

 

 

世界の脆弱地域における予測的気候ガバナンスの再考

 

気候変動の現実に直面して、適応のあり方が重大問題となっています。各国の政府や政治的リーダーは、各種の気候シナリオとその潜在的な経済、政治、社会文化面の影響を検討するため、将来的視野を備えた作業部会の設立を迫られています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、政策決定者の参考となる一連の気候・社会経済シナリオを策定しました。しかしながら、将来的な気候問題の知識を活用してこれらの問題を予測するガバナンスを確立することは、口で言うほどたやすいことではありません。

この研究プロジェクトは、将来的な不確実性を理解するためのアプローチを適切かつ効果的なガバナンスにつなげ、このようなガバナンスが世界で最も脆弱な地域(発展途上国など)における実用的な政策決定を支えることを目指しています。そのためには、気候・マクロ経済・農業の研究と政策・ガバナンスの研究が連携する必要があります。英国の研究者チームは、西アフリカ、中米、南アジア、東南アジアの4地域において、各地のパートナーと協力して分析を行う予定です。このプログラムの最終的な目標は、予測的気候ガバナンスにおける予測の役割を改善するための具体的な勧告と指針を、地域的および世界的規模で策定することです。科学コミュニティや地域・国の政策決定者のための行動計画の発表が2019年に予定されています。

 

プロジェクトの責任者はユースト・ヴェルヴォールト(ユトレヒト大学、オランダ)。

 

以下に所属する10名の研究者のチームにより実施。英国:オックスフォード大学環境センター、オランダ:ワーゲニンゲン大学および研究センター、ユトレヒト大学、コスタリカ:国際協力大学、インドネシア:ドイツ国際協力公社、バングラデシュ:気候変動・開発国際センター、マリ:国際半乾燥熱帯作物研究所。

 

 

プロジェクトTROPICOL

コロニア掘削プロジェクト:湿潤熱帯の長期気候サイクル

 

ブラジルの熱帯雨林の中心部にあるコロニア・クレーターは直径3.6kmの陥没地であり、隕石の衝突によって形成されたと考えられています。この珍しい地質構造は、南半球の熱帯地域の古気候アーカイブにアクセスするユニークな機会を提供してくれます。このサイトの深さ14mの堆積物コアにより、過去25万年間の水文学的変化と温度・生物多様性の変化の分析がすでに研究者によって行われています。現在、マリ=ピエール・レドリュ(モンペリエ進化科学研究所(ISEM)共同研究室)が編成した5ヵ国の研究者から成る国際的チームが、過去80万年について研究するため深さ50m(複数の氷期-間氷期の痕跡にアクセス可能)まで掘削し、このプロジェクトをさらに推進することを目指しています。研究の主な目的は、熱エネルギーとpCO2の極端な変化が熱帯生物多様性に及ぼす影響の特定/過去約80万年の世界的な水文学的サイクルに対する低緯度気候パターンの影響の評価(科学的に大きな謎である、中期更新世の気候変動(800 ka)を含む)/気候変動下における微生物生命の長期的な範囲と代謝の調査などです。この研究には、深層掘削、地質年代学、地球化学、古生物学、堆積学、微生物圏の専門家から成る多分野かつ国際的なチームが参加しています。気候の変化に対する熱帯植物の進化的反応や方法論の開発について、新たな洞察が得られることが期待されています。

 

プロジェクトの責任者はマリ=ピエール・レドリュ、モンペリエ進化科学研究所(ISEM)共同研究室(UM/CNRS/IRD/EPHE)(フランス)。

 

以下に所属する17名の研究者・教授、4名のエンジニアのチームにより実施。ブラジル:サンパウロ大学、カンピーナス大学、ミナス・ジェライス連邦大学(ベロオリゾンテ)、サンパウロ州立大学(リオクラロ)、フランス:CEREGE-エクス=マルセイユ大学、コレージュ・ド・フランス、IRD、サボア大学UMR EDYTEM、C2FNコンチネル、INSU、スイス:ジュネーブ大学地球環境科学科、ドイツ:フンボルト博物館、フンボルト大学自然史博物館(ベルリン)、英国:オックスフォード・ブルックス大学、米国:ネブラスカ大学リンカーン校。

 

気候変動とサンゴ礁が提供する生態系サービス

 

サンゴ礁は海洋生物の世界最大の多様性を支える拠点であり、釣り、観光、沿岸保護など、人類に多くの恩恵をもたらしています。5億人以上の人々がその生計をサンゴ礁に頼っています。問題は、生命のオアシスであるサンゴ礁が環境変化(温暖化、酸性化、汚染、乱獲など)の影響を非常に受けやすいことです。現在、サンゴと微細藻類の共生関係の破壊に起因する珊瑚の漂白現象が大規模かつ世界的に広がっています。2016年、グレートバリアリーフの93%が漂白現象に侵され、キリバス、サモア、フィジー、トンガのサンゴの約80%がすでに死滅していました。2017年、同じく太平洋のサンゴ礁がやはり漂白状態に陥っています。このような現象が2年連続で、世界的に2回も発生した例は過去にありません。

この漂白現象が生態系の機能や人間への恩恵に及ぼす影響については、重要な問題が未解明のままとなっています。このような理由から、ヴァレリアーノ・パラヴィチーニ(エコール・プラティケ・デ・オート・エチューデス(EPHE))が率いるフランス、英国、米国、オーストラリアの研究者チームが、2017年~2019年にフランス領ポリネシア諸島において、各種の生態系サービス(供給、支援、文化)における各サンゴ礁魚種の役割の徹底調査を行います。さらに、太平洋の観測サイトでCRIOBE(島嶼研究および環境観測センター)がモニターし30年以上にわたって蓄積した観測結果を利用して、環境摂動の影響の再構成・定量化を行います。これにより、サンゴ礁が提供する生態系サービスに対する現在の地球温暖化の影響をより正確に見積もることができるでしょう。

 

プロジェクトの責任者は、ヴァレリアーノ・パラヴィチーニ(エコール・プラティケ・デ・オート・エチューデス(EPHE)。

 

以下に所属する12名の研究者のチームにより実施。フランス:モンペリエ大学、IRD、社会科学高等研究院(ペルピニャン)、CNRS、ペルピニャン大学、オーストラリア:ジェームズクック大学ARCサンゴ礁研究センター(タウンズビル)、英国:ランカスター大学ランカスター環境センター、米国:SymbioSeas(ウィルミントン)、スミソニアン研究所(ワシントン)。

 

 

プロジェクトSENSEI

海氷の指標種

 

北極・南極地域は他の地域よりも温暖化の進行がはるかに速く、海氷に著しい影響が及び、その生態系は地球の温暖化から最も大きな影響を受けています。1980年代以降、海氷面積は10年ごとに北極で3.8%減少し、南極で1.5%増加しました。しかしながら、当地域の独自の生態系は、現場での研究が難しいため理解が不十分です。そのため、生息、採餌、繁殖をこの生態系に依存する生物への地球温暖化の影響はほとんど解明されていません。SENSEI(SENntinels of the SEa Ice:海氷の指標種)プロジェクトの目的は、食物連鎖の最上位にある海洋捕食動物(特にアデリーペンギン、ズキンアザラシ、ハジロウミバトなど)を海氷生態系の指標とすることです。研究者は、これらの種の個体数に関する長期的なデータセットの分析、多数の動物への小型記録計の装着、血液試料の採取、環境データの収集を行い、海氷の変化がこれらの指標種にどのような影響を及ぼすか判断し、現在の適応状況や回復力を特定することを目指します。これらの研究結果は、ひいては将来の予測に活用できるでしょう。6ヵ国から参加した13の研究チームから成るコンソーシアムが、北極と南極でこの研究を同時に実施します。ポール・エミール・ビクトールフランス極地研究所(IPEV)、ノルウェー極地研究所(NPI)、カナダ水産海洋省、マギル大学、フレンズ・オブ・クーパーアイランドがプロジェクトを支援します。最終的にはリュック・ジャケのワイルドタッチ協会との提携により、これらの研究結果を一般に公開する予定です。

 

プロジェクトの責任者はクリストフ・バルブロとヤン・ロペル=クデル(シゼ生物研究センター(CEBC)、CNRS/ラロシェル大学))。

 

28人の研究者、エンジニア、教授および映画制作者のチームにより実施。フランス:CEBC(CNRS/ラロシェル大学)(ヴィリエ=オン=ボワ)、ユベール・キュリアン学際研究所(CNRS/ストラスブール大学)、LOCEAN(UPMC)(パリ)、ラロシェル大学、英国:セントアンドリュース大学、ノルウェー:ノルウェー科学技術大学(トロンハイム)、ノルウェー極地研究所(トロムソ)、カナダ:マギル大学(ウィニペグ)、水産海洋省(ケベック)、米国:ウッズホール海洋研究所、フレンズ・オブ・クーパーアイランド(シアトル)、日本:国立極地研究所(東京)、京都大学霊長類研究所 国際共同先端研究センター(愛知)。

[1] Nature Indexのデータに基づく順位