カーボン・フットプリント:BNPパリバ、社員や顧客による環境への影響削減を支援

April 19, 2021

BNPパリバは昨年、カーボン・フットプリント(炭素の足跡)を削減する取り組みを続け、お客さまによる同様の取り組みも支援するため、最新のソリューションを提供しました。2021年も課題が多いなか、デジタル分野の排出も重要なトピックです。

 

BNPパリバの2020年のカーボン・フットプリントを算定

BNPパリバは、2017年に業務におけるカーボン・ニュートラル(エネルギー購入や出張に関連する直接的・間接的なCO2排出実質ゼロ)を達成し、以降もモニタリングを綿密に続けています。この取り組みでは、エネルギー購入、出張、資源の責任ある利用、CO2排出削減の、正確な測定に焦点を当てています。

2020年の世界的な健康危機は働き方の抜本的転換を招き、BNPパリバの排出削減にもつながりました。例えば、社員の多くを在宅勤務とし、海外出張を大幅に抑制し、温室効果ガス排出を世界全体で前年比23%削減しました。ただしこの結果に関しては、より広い視点で検討する必要があります。

温室効果ガス排出は異例の状況下で世界的に減少しましたが、リモートワークによるエネルギー消費増についても、一般に広く認知されている方法で計算しています。また平時では組み入れられることのなかった、通勤減に伴う排出削減の算定にも取り組みました。

 

「2020年の健康危機の直接的影響に加え、今回の危機でもたらされた現在・今後の働き方の変化がBNPパリバの環境指標の結果を変えることになるでしょう。BNPパリバのモニタリングは直接的影響の測定や排出の分析で精度を高めており、毎年実施していくことにより今後の活動を維持・強化できるでしょう。」

スティーブン・ランバート(BNPパリバ・グループ 環境レポート担当)

 

BNPパリバは自社の排出量をどのように算定しているのか?

BNPパリバは温室効果ガス排出量を毎年報告しており、その算定を建物でのエネルギー消費と出張に関するデータに基づいて行っています。この2つのデータの収集はBNPパリバが事業を展開している地域のうち主要20か国で実施し、社員の90%をカバーしています。残りの社員10%については推定を行っています。この報告では、BNPパリバのCO2排出量の分析のみならず、紙や水の消費、廃棄物管理についても分析を行うため、50以上の指標のモニタリングを実施しています。

 

デジタル排出を減らすアクション

低炭素電力を可能な限り購入し、その他の排出削減も社内の取り組みを通じて推進しています。BNPパリバが直接的な環境フット・プリントの低減に向けて行っている主な取り組みの1つが「Green Company for Employees」プログラムです。社員による持続可能性への転換を促進し、オフィスでの使い捨てプラスチックの使用を停止して、環境への影響を削減します。また世界各地の全社員に、日常生活で取り組める最善の方法について啓発する役割もあります。

「Green Company for Employees」プログラムは、健康危機以前からすでにデジタルツールに関連した温室効果ガスの排出削減に取り組んでいました。デジタル分野は世界の温室効果ガス排出の約4%を占め、このままでは2025年までに排出比率の倍増が予想されます。デジタルツールの利用は2020年を通じて拡大し、問題は従来以上に重要度を増しています。BNPパリバのワーキング・グループはより持続可能な最善策を模索し、社員の意識向上キャンペーンをグローバルに展開し、勤務場所がオフィスか自宅かにかかわらず、デジタル習慣のちょっとした変化がいかに多大な影響を及ぼすかを啓発しています。

 

「デジタルサステナビリティは興味の尽きないトピックで、まだ議論が十分に尽くされておらず、必ず取り組まなくてはなりません」

BNPパリバ社員のDigital Cleaning Week中のコメント

 

2021年3月、BNPパリバでは「Digital Cleaning Week」を実施、全社員が世界各地で参加できるカンファレンスを提供し、社内外の専門家がデータ、IT、デジタルサステナビリティの課題について議論を行いました。また、共有電子メールボックスやサーバーをクリーンアップする挑戦も企画しました。BNP Paribas Bivwak!では100人もの社員がデジタルストレージのクリーンアップ作業に着手し、排出量でパリ-ニューヨーク間のエアトリップ19回分に相当する影響を解消、同様の取り組みは世界中で行われました。

 

My Carbon Footprint-日常生活がCO2排出に及ぼす影響を知る革新的ソリューション

自身のカーボン・フットプリントの測定は難しいものですが、BNPパリバはフランスのリテールバンキングのお客さまと欧州で展開するデジタルバンク「Hello Bank!」のお客さまに、「My Carbon Footprint」を提供しています。これはフランスのスタートアップ企業Greenlyと共同開発し、昨年7月に提供を開始した機能で、BNPパリバの口座から直接アクセスできます。この機能を使うと、輸送(ガソリン)、住宅(電気や水道)、様々な生活サービス(ネット回線契約や電話)のカーボン・フットプリントを簡単に楽しく推定できます。お客さまご自身でCO2排出に及ぼす影響を綿密にモニタリングすることにより、削減方法を検討しやすくなります。

「My Carbon Footprint」の提供は、BNPパリバがお客さまのエネルギー移行支援のために開始した世界的な取り組みの一環です。例えばフランスのリテールバンキングでは、日常生活の様々なシーン(旅行、車/電動自転車のエコカーローン、住宅購入など)に合ったエコソリューションの一部として、Energibioローン(金利は0~1%)や「My Renovation project」を提供しています。

 

「私はこのアプリを数か月使用し、自分のCO2排出バロメーターになっています。おかげで改善できる分野が分かり、例えば、自転車で行ける時には車はもう使用しません。」

エミリー-BNPパリバの社員・顧客

 

BNPパリバのパートナー、Greenly

フランスのスタートアップ企業Greenly(2019年設立)は、日常的な支出がCO2に及ぼす影響を推定する「My Carbon Footprint」を開発しました。人工知能(AI)を活用して、サプライヤーの表現から典型的な購入製品(群)を割り出し、支出ごとに分析します。Greenlyは304のカテゴリーを策定しており、購入取引の85~89%を自動的に識別し、各購入にユーロ/CO2換算係数を適用します。

Greenlyによると、フランス人の平均カーボン・フットプリントは2018年にCO2換算で1人当たり11.2トンに上りました。BNPパリバのお客さまのうち315,000人がGreenlyのWebサイトを訪れ、環境意識を高めています。これは人々が環境への影響を削減するために協力できる力強い取り組みです。

[website title=”GreenlyのWebサイト(英語)” url=”https://en.greenly.earth/” url_display=”https://en.greenly.earth/” target=”_blank”] 

 

国際的アプローチ

米国では、Bank of the Westも個人のお客さまに啓発のため同様のデジタルソリューションを提供しています。当座預金口座を保有し、「1% for the Planet」オプションを選択しているお客さますべてについて、その口座の正味取引高の1%を「1% for the Planet」に支払います。また、AlandsbankenとDoEconomyが開発したCO2トラッキングツールも利用でき、購入がCO2に及ぼす潜在的影響を推定します。

BNPパリバはこうしたパートナーシップを通じ、お客さまが自身による影響をより的確に理解し、かつ、より環境に配慮した選択ができるシンプルなソリューションを提供しています。

 

 

※本記事は英語で発行された記事の抄訳となります。原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。

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