BNPパリバ ホールセール バンキングの戦略 – 変化する世界の中での統合型モデルの進化とAIによる変革
BNPパリバのホールセール バンキング(CIB)は、地政学的な不確実性、急速な技術革新、そして変化し続けるお客様のニーズという時代にあって、当グループ独自の「分散・統合されたビジネスモデル」を最大限に活用し、お客様および経済全体への支援を一層強化してまいります。 就任から10か月を迎えたOlivier Osty(オリビエ・オスティ)BNP Paribas CIB CEOは、当グループの成長の軌道と次なるステージへの優先事項、そして複雑な環境下でお客様が長期的な成長機会を捉えるために、CIBがいかに貢献できるかについて自身の見解を語りました。

インタビューの要点
- リーダーシップの実践: 欧州を代表するCIBフランチャイズとして、いかに成長を牽引し、市場におけるプレゼンスを確立していくか
- グローバルな基盤による支援: 欧州に根ざした強固な体制と広範なネットワーク、そして統合型モデルがいかにお客様の発展を支えるか
- 多角的なソリューションの提供: グローバルなプラットフォームを通じて、いかにお客様の長期的なニーズに確かなソリューションを提供するか
- 責任あるイノベーション: AIの進化と信頼の文化を組み合わせ、いかにお客様やステークホルダーへ持続的な価値を創造していくか
グローバルマーケット部門を10年間率いた後、新たにCIBのCEOに就任しました。就任から約1年が経ち、どのような印象を持っていますか。
オリビエ・オスティ:
就任して10か月が経ち、最も強く感じているのは、BNPパリバ・グループ全体におけるCIBの強固な存在感です。以前からCIBを熟知してはいましたが、現在の役割を通じてプラットフォーム全体をより広い視野で見渡すことができました。
急速に変化する環境において、CIBが卓越した幅広さ、強力なチーム、そして確固たる基盤を備えているという確信を改めて深めています。過去10年間で、CIBの収益は倍増を遂げ、欧州を代表するホールセール バンキング(CIB)としての地位を確立してきました。この成長は、当グループの統合型モデルの強み、人材の質、プラットフォームへの投資、そしてグループ内の専門知識を結集させる能力の賜物です。
昨年9月からは、このモデルをさらに進化させ、お客様にとってより統合され、より効果的なものへと変革しました。現在は、2つのグローバル・カバレッジ・プラットフォーム(事業法人および金融法人向け)、5つの専門ビジネス(グローバル・エクイティ、グローバル・クレジット、グローバル・マクロ、証券管理、トランザクション・バンキング)、そして3つの地域(米州、アジア太平洋、EMEA)に基づいて組織されています。各リーダーが私に直接報告を行う体制をとることで、社内の連携を強化しました。これにより、カバレッジ、専門性、地域的な近接性をよりシームレスに結びつけています。
今のCIBには力強い推進力があり、お客様が変化を乗り越え、機会を確実に捉えるための明確な能力を備えています。
Olivier Osty オリビエ・オスティ
BNP Paribas Deputy Chief Operating Officer and Chief Executive Officer of Corporate & Institutional Banking

キャリアを通じて、市場の変化や技術革新、国際的なリーダーシップを経験してきました。現在のCIBを率いるにあたり、ご自身の指針となっている教訓はありますか。
オリビエ・オスティ:
キャリアの初期に東京へ赴任した際、非常に重要な教訓を得ました。「最も価値のある機会は、自身のコンフォートゾーンのすぐ先に存在する」ということです。
絶えず変化する環境では、リーダーは変革に対してオープンであるべきです。AIなどのイノベーションを積極的に取り入れ、お客様へのサービス向上や意思決定の最適化に繋げなければなりません。また、グローバルビジネスにおけるリーダーシップとは、国境を越えて信頼を築くことでもあります。強力なコラボレーションこそが、お客様を市場の機会へと結びつけ、プラットフォームの真の強みを解き放つ鍵となります。
その一方で、基本となる原則は変わりません。「本質への注力」、「情報に基づいた適切なリスクテイク」、そして「長期的な視点に立ったお客様への寄り添い」です。
世界が複雑に絡み合い、かつ分断も進む中、CIBの役割はどう進化していくと考えていますか。
オリビエ・オスティ:
当グループの戦略の核は、今日の環境下においても極めて重要です。私たちの志は明確です。欧州を代表するホールセール バンキング(CIB)であり続け、欧州を軸とした投資を行うお客様にとっての「最も信頼されるパートナー」となることです。
このような不確実な世界において、私たちの役割は、お客様が自信を持って複雑な状況を乗り越えられるよう支援することです。当グループの統合型モデルは、そのための主要な手段となります。
資金調達、アドバイザリー、グローバルマーケット、証券管理を連結させることで、シームレスなエンド・ツー・エンドのソリューションを提供します。これにより、デジタル変革やエネルギー移行(トランジション)に伴う企業の資金需要と、長期的な投資家資本を橋渡しすることが可能になります。
また、私たちはトランジション・ファイナンスにおいても主導的な役割を果たし続けます。ボラティリティの高い環境下であっても、お客様がパフォーマンスを維持しながら脱炭素化を推進し、レジリエンスを高め、ビジネスモデルを適応させていけるよう支援してまいります。
お客様が直面している主な課題と、それに対してCIBがいかに応えているかを聞かせください。
オリビエ・オスティ:
お客様は現在、極めて複雑な舵取りを求められています。成長やデジタル変革、エネルギー移行への投資を継続する必要がある一方で、ボラティリティが高く予測が困難な環境下で運営しなければなりません。同時に、パフォーマンスの維持や規制・技術の変化への迅速な適応という課題への対応を迫られています。
私たちの役割は、お客様一人ひとりの状況に即した最適な資金調達、リスク管理、アドバイス、そしてあらゆる市場へのシームレスなアクセスを提供することです。これにより、お客様が明確な展望を持って前進できるよう支援します。
AIやデジタル変革が金融ビジネスのあり方を再定義しています。信頼とセキュリティを維持しながら、いかに価値を創造していますか。
オリビエ・オスティ:
AIは、CIBにとって長年の戦略的優先事項です。私たちは従来のAIだけでなく、生成AIにおいても非常に進んだ段階にあります。AIを活用したツールはすでに多くの社員が活用しており、目に見える価値を生み出す領域へと段階的に組み込んできました。先日、私の直属としてチーフAIオフィサーを任命したことも、変革の次のフェーズを加速させ、規模を拡大し、構造化するための決定です。
私たちにとって、AIは単なる生産性向上のためのツールではありません。お客様へのサービスを強化し、オペレーションの効率を高め、イノベーションを加速させ、フランチャイズの競争力を高めるための「変革の原動力」です。私たちは、規律、セキュリティ、そして強固なガバナンスを持ってAIを展開することを目指しています。
次のフロンティアは「エージェント型AI(Agentic AI)」です。これは業界にとって大きな転換点となります。単なる補助ツールを超え、複雑なタスクをオーケストレーション(統合的に調整)し、新たな顧客価値を創出するシステムへと進化することを目指します。私たちは、強力な人間による監視、堅牢なコントロール、明確な責任という規律を持って、この変革に強い意志を持って邁進してまいります。
市場の変化が激しい中、高いレベルでサービスを提供し続けるために、CIBにはどのような文化が必要ですか。
オリビエ・オスティ:
組織文化の本質に関する問いは、極めてシンプルです。「年々複雑化し、加速する環境において、真に『一つのフランチャイズ(One Franchise)』として機能できるか?」ということです。そこにこそ、当グループならではの真の価値が生まれます。
お客様が求めているのは、断片的な専門知識ではありません。カバレッジ、プロダクト、リージョン、そして実行力を結びつけ、適切なタイミングで最適な解決策を提示できる金融機関としての姿です。そのためには、「透明性」、「責任」、「信頼性」の文化が必要です。この文化が根付いたとき、コラボレーションはお客様にとってのパフォーマンスの源泉となり、CIBにとっての強みとなります。
オリビエ・オスティがBNP Paribas CIB CEOとしての最初の10か月を振り返って見出したのは、一つの明確なメッセージです。CIBの次なる章は、「統合型プラットフォームとしての機能を深化させること」、「お客様に寄り添い続けること」、そして「責任を持ってイノベーションを展開すること」これらを通じて、お客様と経済の長期的な成長を力強く牽引してまいります。
※本記事は英語で発行された記事の抄訳となります。原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。
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