BNPパリバ、脱石炭火力に向けた期限を発表。再生可能エネルギー分野への融資目標も引き上げる

November 22, 2019

・BNPパリバは石炭火力発電に関係するすべての融資を欧州連合(EU)域内では2030年までに、世界全体では2040年までに停止することを決定しました。

・また、再生可能エネルギーの発展に対する支援も強化し、新たな融資目標を「2021年までに180億ユーロ」としました。

BNPパリバは、数十年にわたり世界中の電力会社を支援してきました。気候変動が非常事態に直面するいま、BNPパリバはCO2排出を最小限とする発電モデルへの移行を電力会社に促していく方針です。2015年には、投融資活動をパリ協定に合わせることにより、エネルギー転換の加速にコミットしました。これ以降、BNPパリバは定期的に方針を改定し、エネルギー転換を推進していない特定分野の企業向け融資を停止しています。

パリ協定を受け、2015年末、BNPパリバは石炭火力発電分野向け投融資基準を大幅に強化しました。2017年には、その分野で最も発展した手段とされていた「非在来型炭化水素を収益の主軸とする企業への融資の停止を表明した初の金融機関となりました。

BNPパリバは、この資金や業務をエネルギー転換を推進する企業への融資に振り向け直しています。この戦略により、BNPパリバのローンポートフォリオは変わり、再生可能エネルギープロジェクトへの融資で世界最大手の一角に躍進しています。

エネルギー転換を加速する同戦略に即し、BNPパリバは石炭火力発電に関する融資をEU諸国では2030年までに、世界全体では2040年までに停止することを発表いたします。

BNPパリバは新たな石炭火力発電所プロジェクト向け融資を2017年から完全に停止しており、また、依然として石炭に依存している一部の発電事業者向けの与信についても、当該方針の強化を進めています。

上記の目標を達成するため、BNPパリバは電力の一部を石炭から生産している電力会社との対話を増やし、その変革軌道が当社の取引停止目標にどの程度合致するのか地域別に分析する方針です。特に、今後新たに石炭火力発電を計画している電力会社との取引関係は停止する方向です。

こうした新たなコミットメントに伴い、国際エネルギー機関(IEA)の「持続可能な開発シナリオ(SDS)」に即し、BNPパリバは現在融資を行っている世界全体の電力構成のCO2排出原単位を2014~40年に85%削減する目標を達成しつつあります。透明性のため、BNPパリバは世界中の電力会社に対する融資状況をエネルギー資源別に2016年から公表しており、今後も毎年発表を続ける方針です。2018年、BNPパリバの融資先電力会社の電力構成で石炭火力が占める比率が初めて20%を割り込み、全体平均の38%*を下回りました。

*2017年の世界全体の構成。出所:IEA

また、BNPパリバは再生可能エネルギーに対する新たな融資目標を設定し、その進展を加速いたします。

2015年、BNPパリバは再生可能エネルギー分野に対する融資額を2020年までに2倍の150億ユーロとする意向を発表しました。この額は2018年末時点で154億ユーロに達し、当初の目標を上回ったことから、新たな融資目標として「2021年までに180億ユーロ」を定めます。

Dealogic社のランキングによると、2019年1~9月に欧州・中東・アフリカで再生可能エネルギープロジェクト向け融資を行った銀行の中でBNPパリバが首位に立ちました。BNPパリバは同期間に世界で第3位(新規のプロジェクトファイナンスで総額28.43億ドル)、アジアでも第3位にランクしています。

 

BNPパリバの最高経営責任者(CEO)ジャン=ローラン・ボナフェは次のように述べています。

「低炭素経済モデルへの必然的移行に対する貢献を目標としている経済・社会のあらゆる企業と同様に、BNPパリバには果たすべき役割があります。この必然的変化の局面において、私たちは金融機関としてお客様を支援することにより、エネルギー転換の加速に参画する機会と意思があります。この移行が成功を収めるためには、公正・公平でなければならず、経済モデルの現実や世界中の人々の日々のニーズを考慮しなければなりません。新たなコミットメントには明確な目標があり、気候問題への確たる貢献という私たちの目的にとって新たな段階です」。

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※本記事は英語で発行された記事の抄訳となります。原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。

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