2022年3月15日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は自然関連リスクの管理と情報開示フレームワークの最初のベータ版を公開しました。生物多様性を保護し、自然に良い影響をもたらす方向に世界経済を移行させるため、オープンイノベーションのアプローチを用いたものです。2020年7月からタスクフォースのメンバーであり、TNFDを積極的にサポートしているBNPパリバは、タスクフォースの創設とフレームワークの策定に大きく貢献しています。
自然関連リスクの管理と情報開示のための初めてのフレームワーク
現在、地球上の生物多様性は史上かつてない速さで減少しており、環境、持続可能な開発や世界のサプライチェーンにとって大きなリスクとなっています。TNFDによるフレームワークのベータ版のリリースは、自然関連リスクと機会の分析を通じて、企業や金融機関がこれらの課題を意思決定や情報開示に組み込むためのフレームワークを提供する初めての試みです。
現在のフレームワークは3つの要素で構成されています:
- 市場参加者が自然関連リスクと機会をより良く理解するための科学に基づいた主要概念と定義
- 気候変動と自然喪失の2つのテーマの相互関連性、サステナビリティ報告書に対する一貫したアプローチの必要性を認識している気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の取り組みに沿った情報開示の推奨
- 自然関連リスクと機会を分析し、それを自社の経営プロセスに組み込もうとしている企業や金融機関のための実践的ガイダンス
自然への良い影響を加速させるオープンイノベーション
BNPパリバのエネルギー移行グローバル責任者Sébastien SoleilleおよびBNPパリバ・アセットマネジメントのESGアナリストでありタスクフォースの代理メンバーであるRobert-Alexandre Poujadeを含むTNFDのメンバーは、このフレームワークの関連性、使いやすさ、有効性の向上を目指しています。
この作業は、幅広い市場関係者との協議や連携を行い、オープンイノベーションのアプローチでフィードバックを提供してもらうという形で主に行われます。参加を希望するすべての組織は、ベータ版をテストし、その関連性、使用方法、実装などについてフィードバックを提供することができます。
ベータ版フレームワークは、BNPパリバが毎年発表しているTCFDレポートを補完する形で、サステナビリティの将来のグローバルスタンダード(例えば国際サステナビリティ基準委員会のような)に整合するようにTNFDによって設計されています。このフレームワークはまた、生物多様性に関連した各地域の特殊性、特に影響が及ぶ地理的位置の重要性を考慮に入れています。
BNPパリバのエネルギー移行と環境のグローバル責任者Sébastien Soleilleは次のように述べています:
「BNPパリバは、TNFDの立ち上げと現在の取り組みに非常に積極的に関与してきました。これは生物多様性に関連したリスクの管理と情報開示を改善するための共通のフレームワークの構築に貢献するため、団結して行動することが非常に重要であると考えるからです」
BNPパリバとTNFD
2020年9月から2021年6月まで、BNPパリバのカンパニー・エンゲージメント責任者であるAntoine Sireはタスクフォースの範囲と作業計画の構成を任務とする非公式ワーキンググループの共同議長を務めました。BNPパリバは現在、様々なビジネス、サービスプロバイダー、金融分野で構成される34名のタスクフォース・メンバーの1社として参加しています。
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※本記事は英語で発行された記事の抄訳となります。原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。
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