グローバルマーケット統括本部 副会長

仕事の内容とやりがい

いくつかの企業を経験してきましたが、一貫してリサーチ畑を歩み、キャリアを積んできました。また、その大半は、クレジットアナリスト業務です。クレジットアナリストとは、債券、特に信用力を分析評価するアナリストで、格付けと債券の価格、付与されている格付けが対象の価格に見合っているかどうかを分析します。価格が見合っていなければ、そこに収益や損失機会があると考えます。日々格付けと債券価格を目で追いながらレポートを書く繰り返しとなりますが、飽きることのない作業です。キャッシュフローの流れに着目し、データの変調に誰よりも先に気付いた時はワクワクしますし、とても面白い仕事だと感じています。歴史的一大事となった「リーマンショック」当時、私はリーマンブラザーズの問題に気づき、これを指摘していました。それを今もなお覚えていてくださるお客様がいて、私に声をかけてくださることもあります。アナリスト冥利に尽きます。最近はクレジットに加え、ESGのリサーチを行っていますが気候変動など、時流に乗った最先端の調査ができることを幸せだと感じています。

プライベート、趣味

読書というよりリサーチという仕事柄か、活字が大好きで、どのようなジャンルの本でも読んでいます。映画、ワイン、ダイビングも楽しみますが、玄人跣(くろうとはだし)の趣味かといえばそうではありません。現在、もっとも趣味の域に近いものと言えば、ゴルフと書道かと思います。

ワークライフバランス

実は、私はワークライフバランスという言葉が、あまり好きではありません。仕事と生活はあからさまに区別すべきものなのだろうか、という思いがあるからです。仕事が充実していれば、生活にも余裕ができ、生活が充実していれば仕事に活力が生まれます。仕事をしているのも自分であり、私生活を楽しんでいるのも自分です。これは、リサーチ畑でずっと生きてきたがゆえの考え方かもしれません。リサーチは定時になったら終わりという、時間で区切れる業務でありません。何かについて、とことん考えようと思えば四六時中考えていて良いし、分析がうまくいかないと感じれば、今日はとりあえずやめておくといったペースで業務がすすみます。ワークとライフを分けて考えたことがないため、どのようにバランスをとるかについても、あまり意識したことがありません。一方で、このように仕事をしてこれたことの幸せをいつも噛みしめています。目の前にあることに全力投球することこそが、正しい選択だと信じています。しかしながら、例えば子供が病気だったら、親が入院したら、仕事への全力投球はできなかったわけですから。そうすることができた、許されてきたことに心から感謝しています。