気候変動へのアクション:BNPパリバ、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)レポート第2弾を発表

May 17, 2021

BNPパリバは2011年から気候変動との闘いに取り組んでいます。この度、気候変動関連のリスクおよび機会について第2弾の年次レポートを発行し、当社のアプローチ、分析、管理状況を公表しました。

昨年同様、今回のレポートでも気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を支持し、透明性を重視しています。TCFDは2015年にG20金融安定理事会が設立した作業部会で、気候関連財務情報の開示・改善を企業等へ促すことを目的としています。その提言は国際的情報開示の枠組みとなるもので、4つの基礎項目「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の開示を推奨しています。

 

気候変動へのチャレンジ:トップマネジメントの監督事項

BNPパリバでは気候関連問題をその重要性に鑑み、最高経営層が監督しています。ジャン=ローラン・ボナフェBNPパリバ最高経営責任者(CEO)もこの問題に直接携わるとともに、取締役会とその専門委員会は、2020年には10回にわたり気候関連問題を取り上げました。

BNPパリバは気候変動に対する戦略をプロセスと自社の活動のすべてに組み入れており、双方に経営陣、事業部門、複数のサポート部門(カンパニー・エンゲージメント、CSR、審査等)が関わっています。

 

気候関連問題を戦略の中心に配置

BNPパリバにとって気候変動の直接的・間接的な影響は重要です。2018年には事業活動をパリ協定の目標に合わせるという意欲的な方針を掲げ、これ以降、事業戦略の中で気候変動に伴うリスクと機会を考慮しています。2021年はこの方針を強化し、国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)が発足させたネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)に参加しました。BNPパリバは投融資活動から生じる温室効果ガス排出を2050年カーボンニュートラル実現に必要な進捗に合わせることに取り組んでいます。

BNPパリバでは、気候関連のリスクと機会を各事業部門内でも考慮しています。特に、ホールセールバンキング(CIB)、リテールバンキング、アセット・マネジメント、保険などの部門が挙げられます。

BNPパリバでは継続的な改善手法をとり、多角的かつ統合的なビジネスモデルを擁し、また、カーボンニュートラル達成に向けて取り組んでいます。これらは多様な気候変動シナリオへのBNPパリバの対応力のカギとなっています。

 

気候関連リスクの特定、評価、管理

BNPパリバでは気候関連リスクの管理をリスク管理全体のフレームワークに組み入れており、特に2種類のリスクに注目しています。

  • 移行リスクは気候変動を原因とする事業環境の変化に関連。
  • 物理的リスクは気候変動が事業活動に及ぼす直接的影響で、異常気象や温暖化など。

BNPパリバはリスクの特定、リスクの予測、国・ソブリンリスクの評価、シナリオに基づく分析において、気候関連のリスク要素を特に考慮してきています。そのためにも、2021年、BNPパリバはフランスの中央銀行(フランス銀行)と銀行・保険監督機関「健全性監督破綻処理機構(ACPR)」が実施したパイロットプロジェクトに参加しました。その結果によると、フランスの銀行・保険会社が直面している気候関連リスクは現在、「穏当(moderate)」です。

 

BNPパリバとしての数値指標・目標を設定

BNPパリバの事業活動に気候関連事項を統合する際には、TCFDの定義に基づき、指標のモニターや監督を行い、数値目標を選択します。特に、PACTA*メソドロジーを使用し、自社の投融資ポートフォリオがカーボンニュートラルシナリオと整合しているか測定します。このメソドロジーでは、BNPパリバのお客さまの移行戦略を考慮に入れ、その事業活動の変化を予測し、それをパリ協定の目標に整合すると認められている気候シナリオ、特に国際エネルギー機関(IEA)のシナリオと対比します。

BNPパリバは気候変動との闘いに対する自社の貢献も算定しています。2020年には再生可能エネルギーへの融資を178億ユーロ実施し、サステナビリティ・リンク・ローン**を45億ユーロ実行し(温室効果ガス排出削減基準の設定を直接的に支援)、また、グリーンボンドのストラクチャリングや募集を総額108億ユーロ行いました。資産運用面では、BNPパリバ・アセットマネジメントがグリーンファンドの運用を総額184億ユーロ手掛けBNPパリバ・カーディフがグリーン投資を総額81億ユーロ実行し、BNPパリバ・ウェルスマネジメントは総額67億ユーロのグリーンファンドを運用しました。

その上、BNPパリバは自社の直接的なカーボンフットプリント***も測定しています。2020年の排出量は1.80 teqCO2/FTE(フルタイム当量当たり二酸化炭素換算トン)で、2019年比で23%減、2012年に比べると40%以上の削減を実現しています。

 

TCFDレポートは継続的に進化しているプロセスの節目

BNPパリバは、欧州の銀行・金融サービス分野の中心的存在として、気候変動課題に取り組む共同行動で10年以上にわたり積極的に役割を果たしています。BNPパリバは企業、公的機関、市民が団結すべき場面において透明性は最重要と確信しており、この度のTCFDレポート発行はこの透明性に不可欠なものです。

今回のTCFDレポートは2021年11月に英国グラスゴーで開催予定の第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を前に発行したもので、BNPパリバの継続的に進化するアプローチの節目としての位置づけを意図しています。BNPパリバは一丸となって総力を結集していますが、課題の難しさも十分認識し、目下のタスクの規模を謙虚かつ明確に受け止め、連携して達成する必要があると考えています。

[website title=”TCFDレポートはこちらをクリックしてご覧ください(英語)” url=”https://cdn-group.bnpparibas.com/uploads/file/tcfd_2020_bnpparibas_en.pdf” url_display=”https://cdn-group.bnpparibas.com/” target=”_blank”] 

* PACTA:Paris Agreement Capital Transition Assessment

**  借り手の環境/社会目的の達成状況に応じて金利が変動するローン

*** 自社の直接排出(スコープ1)、他社から購入したエネルギーの使用に伴う間接排出(スコープ2)、スコープ1と2以外の出張等の間接排出(スコープ3)

 

※本記事は英語で発行された記事の抄訳となります。原文をご覧になる場合はこちらをクリックしてください。

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